1974年 四六判 ソフトカバー P150 ビニールカバーイタミ、スレ、汚れ 小口からページ端にかけてヤケ 扉ページ上端汚れ、ラベル剥がし跡
“岩成達也の詩的追求は、二十余年来つねに変らず、背かいと自我といふ《界的関係系》の最縁辺部の照明、いひかへれば、想像力と具体物の細部との交渉から生れる或る肉化感覚の言語化の形をとってゐる。このことが、彼の作品を、他に類例のないといふ意味での《孤絶感》と、無限の細部への愛惜といふ意味での《憧憬》とで、染め上げる。そこからは奇妙にも或るノスタルジックな感動さへ滲み出てくるのだ。擬論理を文体としてゐるかに見えながら、彼が終始求めて止まないものは、《真の》論理としての《詩》に他ならない。入沢康夫”(裏表紙紹介文)
目次:
【詩集〈レオナルドの船に関する断片補足〉全篇】
半島にて/海の想い出/続海の想い出/かわいた魚に関する断片/樽切れの想い出/しおれた果物に関する断片/納屋の想い出/続鳥に関する断片/船に関する断片目次/マリアの布に関する断片/マリア・船粒・その他に関する手紙のための断片/岩山にて/法華寺にて
【詩集〈燃焼に関する三つの断〉全篇】
序のための断片/第一の断片/第二の断片/第三の断片/跋のための断片/付 燃える犬に関するソネット片
【詩集〈徐々に外へ・ほか〉から】
囲まれた海水に関する覚書/鳥の骨組みに関する覚書・同補足/三つの覚書のためのソネット片(i 炉の遍在/ii 無窮音階/iii 羽根の付根}/徐々に外へ/クリュあるいは外延化に関する覚書/左方向から夥しい…
【未刊詩篇から】
レオナルドの船に関する断片補遺 {断片/レオナルドの納屋}
ベリと・シェリに関する一章
【中断詩集〈シュトオ村より〉から】
広場で{その1/その2}/続・広場で/木のぼり/タリユと小鳥/教会付オルガニスト/魚の作文/床について/車について/土地の関係}
【近作詩篇から】
風景の近接に関するソネット片/発生する筋肉/海面からせりあがる筋肉/頸の筋肉についての二、三のメモ/肩の部分の筋肉……/三つの部分をもつ素描
【評論】
Kへの手紙/詩的作品の根について/辺側としての言葉/詩と小説・その他についてのメモ
【自伝】
補足的な若干のメモ
【作品論】
作品に関する断片的感想(金井美恵子)
【詩人論】
青春への回帰(江原和巳)