1986年 四六判 P325 帯スレ、背少ヤケ、端少イタミ カバー少汚れ、上端少イタミ
“西欧的知を「脱構築」する精神の技術ともいうべき、新しい知としての文化人類学。本書は、その方向性を、儀礼・身体・交換・呪術・神話というテーマに即して明らかにし、都市・演劇・祝祭・音楽といった斬新な視点から、この学問の可能性を探る。さらに、青木保、上野千鶴子、栗本慎一郎、長島信弘、大林太良、前田愛、別役実、中村雄二郎、大江健三郎、武満徹、M・サーリンズ各氏との対話は知の冒険に充ち、文化人類学の面白さと広がりを満喫させてくれるにちがいない。”(カバー袖紹介文)
目次:
I 文化人類学からのメッセージ
1 人類学的視点とは何か/2 人類学前史/3 『金枝篇』以後の展開/4 文化人類学と現代
II 儀礼と人間
1 儀礼の前提条件/ 2 儀礼の類型/3 成年式と割礼/ 4 ベイトソンとナヴェン儀礼/5 母方のオジ=オイの二律背反的関係/6 儀礼における男性と女性
《対話》青木保
III 宇宙モデルとしての身体
1 身体の重要性/2 バリ島のレゴン舞踊/3 身体=家/4 身体=宇宙/5 身体の記号論
《対話》上野千鶴子
IV 交換とコミュニケーション
1 人類学と経済/2 狩猟民における分配と交換/3 ポトラッチ/4 ヤムイモの象徴性/5 クラ交易/6 文化の仕掛けとしての交換
《対話》栗本慎一郎
V 呪術・占い・シャーマニズム
1 非合理と人間/2 呪術と科学/3 呪術の要素と論理/4 ウィッチクラフト/5 シャーマニズム/6 ニューギニアのシャーマン/7 麻薬と文化
《対話》長島信弘
VI 神話の語るもの
1 神話の復権/2 機能主義と構造主義/3 神話的思考/4 リオ族の神話/5 諸文化に共通する神話要素
《対話》大林太良
VII 都市を読む
1 象徴としての都市/2 幾何学型モデル/3 有機的モデル/4 日本の都市/5 人体的トポス/6 宇宙論的入れ子構造/7 象徴人類学の視角
《対話》前田愛
VIII 排除されたもの ―文化の記号性―
1 文化における排除/2 テキストとしての文化/3 記号としての女性/4 女性排除の文化/5 女神の両義性/6 権力の起源/7 排除=差別の根源
《対話)別役実
IX 政治の演劇性
1 政治と演劇/2 儀礼と政治の空間/3 王権の象徴機能/4 劇場国家バリ/5 バリ島の世界概念/6 魔女ランダ
《対話》中村雄二郎
X 祝祭と想像力
1 秩序と反秩序/2 カーニバル/3 チアパス高原のカーニバル/4 報告/5 祝祭文化の本質
《対話》大江健三郎
XI 音とコスモス
1 音楽の始原/2 オーストラリアのアボリジン/3 夢見の時/4 宇宙の音
《対話》武満徹
XII 文化人類学と現代
1 グルルンバ族の“野ブタ”人間/2 インドネシアの“アモック”という現象/3 日本のサズキ/4 モデルとしての文化人類学の知/5 ネゲントロピー空間としてのバリ/6 現代社会とバリ/7 現代を読む文化人類学
《対話》M・サーリンズ
参考文献
あとがき