平成元年初版 四六判 P213 カバー上端僅イタミ
“心の成長と霊の進化の宗教学
不安な時代は人びとを孤独感・無力感に陥れ、短絡的な宗教に誘いこみ、さらに異常で危険な状態を生む。東西の哲学・心理学の総合化において国際的視点に立っている著者はこの現象を現世的・自己愛的世界の混迷という。その克服は物·カルマ(業)・欲望の支配を超えて、智恵と愛の神との一致を得る神秘体験、密教の真の目標・人間の真の霊的進化にあるとする。長く厳しい〈行〉と〈学〉のあいだに培われた著者の〈心〉と〈霊〉のみちびきの書である。”(カバー紹介文)
目次:
序
【一章 心の進化は物の支配力を増す ―心の物に対する支配力増加と宗教の進化の相関】
1 霊的成長の目安
{自分から自由になる/物の力に制約されない/心による物の支配/相対と相待/霊的成長と心による物の支配}
2 心の進化(宗教の進化)は物の支配力を増す
{気候風土の変化が人間の進化を促した/人間の進化と宗教の進化/物を支配するようになるにつれて宗教も進化}
3 相対、相待から絶対へ
4 行法と行の目的
{行の目的と正行法/精神集中/自己放棄を促進するアーサナ、経絡体操の効用/上がるためには徹底的に落ちる/姿勢について/スシュムナ/脊柱の矯正/呼吸法/周天法/精神集中/全託}
5 質疑応答
{身心の浄化過程/バストリカについて/アストラルの現象/ヨーガ行法の基本をよく習得するように}
【二章 呪術・オカルトと真の神秘主義を区別するもの】
1 宗教が拡がる時は社会不安の時である―戦後の社会不安
2 戦後の集団宗教の発生
3 日本人の心の深層にある自然との融和、先祖崇拝
4 砂漠の宗教:キリスト教、イスラム等は日本では栄えない
5 オカルト ―戦後第二次宗教現象
{ハイテクノロジー時代とオカルトの勃興/オカルトを作り出す条件/テレビの影響/価値観の多様化/自己愛的風潮/オカルトブーム}
6 集団宗教とオカルト的神秘主義との違い.
{顕教と密教/神秘主義/神秘主義における愛}
7 オカルト的神秘主義と真の神秘主義との違い
{両神秘主義の違い/スワディスターナチャクラとオカルト/現象/オカルトと想像力/マニプラチャクラとオカルト現象/マニプラチャクラとESP/真の宗教的神秘主義とそのしるし/オカルト神秘主義出現の意義}
8 スシュムナの浄化法 ―オカルトを超える一つの重要な行法
9 質疑応答
{生まれ変わった人のためのお祈り}
【三章 神秘体験と心霊現象の違いを探る ―神、神々、心霊の違い】
1 心霊体験の具体例
2 心霊あるいは神霊と神との違い
{神像、仏像を祀る意味/行者、霊能者の注意すべき点/神と神霊、心霊との相違}
3 カルマの世界
{物の原理に従う世界/物の世界の形成原理は心である/物の心を助ける純粋精神/物理的次元、アストラル次元、カラーナ次元での心による物の支配の相違/神霊に基づく戦争/憑依現象/アストラル次元の指導霊の特徴/アストラル、カラーナ次元の霊との一致体験}
4 神と神々
{神、神々は身体をもたない、カルマを超えている/神々の次元/絶対神と神々との関係/国々の神としてのプルシャ}
5 絶対神について
{絶対神(神そのもの)と創造/創造神との一致/絶対との合一 一致はない}
四章 宗教の進化と宗教経験
1 外からみた宗教の成り立ちと過程
2 顕教と密教
3 呪術から多神教、一神教へ
4 日本民族の成り立ちと宗教
5 宗教の進化
6 地球社会化と新しい世界宗教の必要性
7 宗教経験について
{ラッキョウの話/瞑想、三昧について/心霊と神との違い/物の原理/オカルト現象、心霊現象と神秘体験との違い}
8 新しい世界宗教を求めて
9 心の成長の目安