陰陽五行と日本の民俗 吉野裕子 人文書院

1984年4刷 四六判 P298 帯イタミ、背ヤケ カバー背ヤケ大、内側に時代シミ 小口ヤケ 両見返し時代シミ

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1984年4刷 四六判 P298 帯イタミ、背ヤケ カバー背ヤケ大、内側に時代シミ 小口ヤケ 両見返し時代シミ

“五行・十干・十二支・九星・易
暮らしの隅々に息づく中国古代の哲理をさまざまな民俗や歳時習俗をとりあげ、あざやかに論証した労作”(帯文)

“中国哲学は具象の哲学である。根元の陰陽二気から派生した木火土金水の五気に、時間・空間・事物・事象の一切が還元され、それらはまた青赤黄白黒の五色によって象徴される。季節の推移さえ具象化され、天子が四方に四季を迎えるのはその好例である。……
陰陽五行を導入して日本の民俗をみるとき、思いがけず謎がとけ、私どもの祖先は理屈のないことを余りしていないことがよくわかる。民俗行事は理によって貫かれた構造を、しっかりと持っているのである。(本書より)”(帯裏紹介文)

目次:

第一章 陰陽五行思想の概要
 第一節 はじめに {(一)中国創世記と日本神話/(二)陰陽五行思想の渡来とその推移/(三)陰陽五行と現代}
 第二節 陰陽五行思想の概要 {(一)五行/(二)十干/(三)十二支/(四)九星/(五)易}

第二章 陰陽五行と迎春呪術
 はじめに
 第一節 迎春呪術分類表
 第二節 古代中国人の四季推移に対する意識 {(一)金気剋殺としての犬の磔/(二)犬の磔の日本における受け入れ方}
 第三節 日本における金気剋殺の種々相 {(一)餅犬/(二)鳥追い/(三)日光強飯式/(四)豆腐祭り/(五)節分の豆撒き/(六)シモツカレ}
 第四節 日本における水気追放の種々相 {(一)蟹の串刺し/(二)諏訪神社の蛙(蝦蟇)狩神事/(三)柊と鰯/(四)川渡り餅/(五)鬼の的/(六)鬼木}
 第五節 中国周辺諸国における迎春呪術 {(一)韓国の迎春呪術/(二)メオ族の迎春呪術/おわりに}

第三章 陰陽五行と防災呪術
 第一節 対震呪術 {はじめに 列島の地震災害/(一)地震と鯰/(二)中国におけるナマズ/(三)鯰の解字/(四)鯰の形/(五)土気の精としての鯰/(六)具体化される地震対策/(七)鯰の両義性と陰陽五行/(八)陰陽五行における地震の本質/(九)地震は「木気」/(十)鹿島大神は地震神/(一一)要石の権威/(一二)問題の整理/(一三)鹿島神の本質/(一四)蛇から鯰へ―鯰絵の謎をとく/むすび}
 第二節 対雷呪術 {(一)日本人の雷観/(二)雷除けとしての楸(木ささげ・ひさぎ)/(三)金属による雷除けの諸例/(四)雷除けとしての赤雛・赤蜀黍・節分の豆}
 第三節 防火呪術 {(一)正月と猿/(二)寅・申について/(三)正月と馬}
 第四節 対洪水呪術―野田・三つ堀香取神社の泥祭りを中心に― {(一)泥祭りの概略/(二)泥祭りの要点/(三)泥祭りの意味/(四)土気のご神体(廃材がご神体となること)}
 第五節 対風呪術 {(一)対風呪術資料/(二)対風呪術の特殊性/(三)対風呪術資料の考察 ・一 風鎮め(風の抑圧)―資料(1)(2)(3)の考察― ・二 風封じ ・三 風送り}

第四章 陰陽五行とくらしの民俗
 第一節 正月と盆 {はじめに/(一)寅・申の対立/(二)対立と転換(子午線の重要性)/(三)民俗における寅申軸の優越性/(四)火と水のバランス(日照・降雨に還元される火と水)/(五)古代中国の宗廟祭祀/(六)盆の考察/(七)呪術の細分化/おわりに}
 第二節 山の神と田の神―三合の理と作神の輪廻― {(一)山の神としての「猪」/亥の神/(三)山の神/(四)田の神/(五)サノボリ/(六)作神としての亥の神・山の神・田の神/(七)「木気三合の理」による作神の輪廻/(八)十二山の神}
 第三節 「亥子突き」考 {はじめに/(一)「亥子突き」資料/(二)「亥子突き」の特質/(三)「亥子突き」の実相/(四)「亥子突き」の考察}
 第四節 色彩の呪術 {(一)陰陽五行における色彩の象徴性/(二)日本古代呪術・青和幣と白和幣/(三)白色の呪術/(四)黄色及び赤色の呪術(稲荷信仰と黄色)/(五)黒色の呪術}
 第五節 死屍呪術 {はじめに/(一)漁撈・航海者における死屍(土左衛門)/(二)鈩師における死屍/(三)陰陽五行による謎の解明/(四)考察}
 第六節 長寿呪術 {(一)初酉の高山登り/(二)沖縄宮古島砂川の旧三月新酉の神事(ナーバイ)}
 第七節 「桃太郎」と「河童」 {(一)お伽話・桃太郎/(二)水の妖怪・河童/(三)馬の民俗}

第五章 『易』と日本民俗
 はじめに
 第一節 十一月(子月) 和名 霜月{(一)一陽来復/(二)践祚大嘗祭・新嘗祭・霜月祭/(三)冬至の南瓜}
 第二節 十二月(丑月) 和名 師走{(一)「師走」考/(二)庭釜・トシコシトンド}
 第三節 一月(寅月) 和名 睦月{(一)門松/(二)「睦月」考}
 第四節 二月(卯月) 和名 如月{(一)祈念祭}
 第五節 三月(辰月) 和名 弥生{(一)流し雛/(二)浜下り}
 第六節 四月(巳月) 和名 卯月{(一)「うづき」考/(二)天道花・高山遊び}
 第七節 五月(午月) 和名 皐月{(一)女の家・女の宿・女天下/(二)雛女祭り}
 第八節 六月(未月) 和名 水無月{(一)「水無月」考/(二)土用丑日の鰻の推理}
 第九節 七月(申月) 和名 文月
 第十節 八月(酉月) 和名 葉月{(一)八朔・田の実節供/(二)八月十五日の月見/(三)韓国の仲秋佳節・嘉俳日/(四)韓国と日本の意識の差}
 第十一節 九月(戌月) 和名 長月{(一)重陽 九月九日}
 第十二節 十月(亥月) 和名 神無月{(一)「神無月」考/(二)亥子突き}
 おわりに

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