1982年5刷 四六判 ソフトカバー P262 本体表紙少汚れ、背から端にかけてヤケ 天少時代シミ
“精神風土の荒廃がもたらした現代人の絶望と汚辱と倦怠、魂の枯渇を剔抉する警世の詩篇
現代人の病める自我を追求した処女詩集〈プルーフロックとその他の観察〉から、荒廃したヨーロッパ文化を批判した〈荒地〉とへて詩想と思想の到達点を示す〈四つの四重奏〉の〈バーント・ノートン〉まで、必要にして十分な10冊の詩集のほぼ全詩篇を収めた一巻選集。定評ある上田保氏の現代詩訳で贈る。”(帯文)
目次:
【プルーフロックとその他の観察】
アルフレッド・プルーフロックの恋歌/婦人の肖像/前奏曲集/風の夜の狂詩曲/窓のそばの朝/ボストン・イーヴニング・トランスクリプト/ヘレンおばさん/いとこのナンシイ/アポリナックスさん/ヒステリイ/気どった会話/なげく少女
【詩集―一九二〇年】
ゲロンチョン/ベデカアをもったバーバンクと葉巻をくわえたブライシュタイン/まっすぐに立ったスウィーニイ/料理用の卵/あらゆるものの不義の混合/蜜月/河馬/不死のささやき/エリオット氏の日曜日の朝のお勤め/ナイチンゲールにかこまれたスウィーニイ
【荒地】
I 死者をほうむる/II 将棋あそび/III 火の説教/IV水死/V 雷神の言葉
【うつろな人間】
1 (われらはうつろな人間……)/2 (夢のなかで、死の夢の王国で……)/3 (これは死の国……)/4 (その眼はここにない……)/5 (さあ、みんな、とげだらけの梨を……)
【聖灰水曜日】
I (わたしはふたたび、ふりかえることを願わないので……)/II (《聖女》よ、三匹の白い豹が……)/III (第二の階段の最初のまがりかどで……)/IV (すみれとすみれのあいだを歩いた人……)/V (失われた言葉が失われ、力つきた言葉が力つき……)/VI (わたしはふたたび、ふりかえることを願わないが……)
【妖精詩集】
東方の博士がした旅/シメオンの歌/アニームラ/マリーナ
【未完成の詩】
闘技士スウィーニイ
{あるプロローグの断片/勝負あらそい}
コリオラン
{I 凱旋行進/II ある政治家の苦境}
【小さな詩】
わたしが涙で最後にみた眼/風が四時に吹きおこった/五本の指の練習曲{I ペルシャ猫によせる歌/II ヨークシャ・テリヤによせる歌/III 公演のアヒルによせる歌/IV ラーフ・ホジスン氏によせる歌/V カスカスキャラウェイとミルザ・ムラド・アリ・ベッグによせる歌}/さまざまな風景{I ニュー・ハンプシャー/II ヴァージニア/III アスク/IV グレンコウよりのラノック/V アン岬}/老人によせる歌
【『岩』の合唱】
I (鷲はたかく天のいただきを舞い……)/II (このようにしてみなさんの祖先は……)/III (わたしは主の言葉がこう語るのをききました……)/IV (聖堂を建てようとする人があり……)/V (おお主よ、目ざすところはりっぱでも……)/VI (迫害をうけたことのない人や……)/VII (はじめに神は天地を創造しました。……)/VIII (おお、父なる神よ、私たちはあなたの言葉を……)/IX (人の子よ、わたしがあなたに見せるすべてのものを……)/X (あなたは夜のあいだにきた者によって……)
【バーント・ノートン】
I (現在の時間と過去の時間は……)/II (泥沼の中でニンイクとサファイアが……)/III (ここは不満の場所なのだ……)/IV (時間とベルが一日を埋めてしまった……)/V (言葉は動く 音楽は動く……)
解説