レンズの眼 ラングドン・ジョーンズ 訳:増田まもる、ほか サンリオSF文庫

1980年初版 文庫判 P258  カバー背僅クスミ、僅ヤケ 小口からページ端にかけてヤケ

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1980年初版 文庫判 P258  カバー僅クスミ 小口からページ端にかけてヤケ

“さて、ジョーンズの作品を紹介したい。
収録作品5篇で共通しているのは時間の性質の追及だ。大時計に囚われた男は、もう一人のゴドーを持っている。今度はゴドーは乞食でも神でもない。時間のエントロピーを予感する黄昏だ。荒涼たる書き割りの中で不毛な性交をつづける男女も時間を遅らせるだけだ。
次第に姿を消して〈笑い〉だけを樹上に残したチェシャ猫のように、見るものも見られるものもフェイド・アウトして〈見る〉だけが、神の視力を補正するレンズの眼だけが残る。
それにしても神の死を迎えたばかりなのに、時間もまた死ぬのか?神はどこだ、と叫んだ灯を掲げたあの気狂い老人の脳裏を去来した心象風景に応えて死体剖検に及ぶべきなのか?ともあれ毀誉褒貶姦しかった新しいSFの一隅に咲いた仇花と早とちりしないでほしい。この作品集もまた、薄目をあけて起きようと伸びをしている思索小説《スペキュラティブ・フィクション》という巨人につきまとう馬虻の一匹なのだ。乞御一読。”(カバー裏紹介文)

目次:

大時計
レンズの眼
 {機械のホール/太陽の到来/レンズの眼}
時間機械
フィリップス“忘れられた巨匠”シリーズ 交響曲六番ハ短調『悲劇的』 ルートヴィッヒ・ヴァン・ベートーヴェン二世
歓びの園

解説(増田まもる)
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