2005年初版 A4判 P375 筒函イタミ、少汚れ、底部剥がれ カバー僅スレ
かつては中国各地にみられ、雲南省では今も漢族、白族、イ族、ナシ族などに用いられている祭祀用神像版画「甲馬子《ジャーマーツ」について、前半部では「論文篇」として総論的な解説を収め、後半部「図像篇」では甲馬子の図版424点を紹介する。
目次:
【論文篇―神像呪符「甲馬子」と雲南省漢族・白族の民間信仰習俗】
はじめに
第一章 神像呪符類の歴史
第一節 「甲馬子」という呼称/第二節 神像呪符の歴史と生産地の分布
第二章 「甲馬」と呼ばれる馬像呪符
第一節 神像呪符類にみる「馬」の意味/第二節 願いを叶え、神を招くための馬像呪符/第三節 馬像呪符の使用法
第三章 甲馬子の分布と流通
第一節 雲南省における神像呪符類の分布/第二節 販売、流通状況/第三節 民間宗教の関係者と神像呪符
第四章 神像呪符類にみる神々と鬼類の観念
第一節 諸神の祭祀秩序と神界の観念/第二節 鬼類の観念と霊魂観、冥界観
第五章 祭祀習俗からみた用途
第一節 神像呪符類の分類
第六章 雲南省の神像呪符類の伝播と土着化の過程
第一節 漢族道士の影響/第二節 少数民族の受容とその基盤/第三節 漢族の信仰伝統と少数民族文化との相互交渉
第七章 現代の神像呪符と民間信仰としての意味
第一節 現代に流行する神像呪符/第二節 民間信仰としての神像呪符類の意味
【図像篇―神像呪符「甲馬子」の世界】
一 馬像呪符(8点)
二 年中行事
年越し・新年(15点)/正月の財神祭祀(2点)/清明説の墓参り(4点)/農耕行事(6点)/伝染病祓い「送瘟」(4点)/土神の祭祀「敬土節」(2点)/中元節(26点)/財神会(1点)/中秋節(8点)/かまど神の祭祀「謝竈」(2点)/本主節(1点)
三 儀礼上の諸神祭祀
道教儀礼(54点)/宗教職能者の祭祀儀礼(6点)/建築儀礼と土地祭祀{建築着工の祭祀(2点)/棟上げ祭祀(3点)/鎮宅(2点)/地鎮祭祀(17点)/埋葬(3点)}/婚礼(8点)/葬礼(8点)/産育儀礼{子授け祈願・安産祈願(3点)/不妊(1点)/健康祈願「寄名」(1点)/子供の成長の厄祓「過関」(26点)}
四 生活上の諸祭祀
廟堂の祭神(5点)/本主神祭祀(34点)/竈神(7点)/水神(2点)/天候を司る神(5点)/山神・土地神(9点)/家畜繁栄(12点)/火難避け(4点)/財神祭祀と財運向上(2点)/旅立ち(3点)/盟約・冤結祓い(6点)/職業上の守護神(4点)/魂呼び儀礼「叫魂」(10点)/病気の治癒祈願(6点)/平安祈願(18点)
五 消災祭祀(崇り神・鬼類)
崇り神への祭祀(17点)/鬼類祓いの神(3点)/送鬼祭祀(14点)/年越しの送鬼祭祀(6点)/孤魂野鬼・五鬼(6点)/家庭不和・男女の不仲(5点)/出産時の消災祭祀(3点)/子供の夭折「偸生鬼」(2点)/白虎送り「送白虎」(9点)/蟲を送り返す祭祀「送蟲」(11点)/天狗送り「送天狗」(5点)
六 補足(3点)
【ノート・附論―雲南省の民間信仰についての解説および各論】
ノート
附論
大理漢族の城隍神信仰
{一 大理古城街と城隍廟/二 城隍神の職責/三 漢族の宗教伝統における城隍信仰の意味―大理古城街の城隍伝承/四 漢族の冥神信仰と鬼卒の位置}
大理白族の蠱の信仰―「ピョ」について―
{一 「ピョ」と経済的な豊かさの観念/二 蠱神とその祭祀にまつわる伝承/三 空飛ぶ「ピョ」としての「飛龍」}
張仙と天狗伝承
{一 流星としての天狗/二 月食の原因としての天狗/三 張仙について/四 「ヘピョ」(天蠱)の神としての張仙}
【文献目録】
【あとがき】