2003年 A4判 P82
2003年に開催された特別展の図録。
“…晴明は没後、中世の文学をはじめ現代までさまざまな文学作品や芸能などで取りあげられ、超人的な力をもつ存在として描かれてきました。
この晴明像をつくりあげる原動力のひとつとなったのが、中世・近世の芸能民や民間陰陽師でした。〈略〉
本展では、語りつがれ創りあげられた晴明像と中世・近世の民間陰陽師や被差別民の主張、陰陽師に対するまなざしについて探ります。”(本書「はじめに」より)
安倍晴明と陰陽道に関する資料、創作としての晴明像、民間陰陽師についての文書などを、モノクロ図版とともに紹介し、後半部には識者6名の寄稿した解説・論考を収める。
目次:
凡例
はじめに
カラー図版
「安倍晴明伝説」考 展示をみるために(村上紀夫)
1 陰陽師の実像
2 安倍晴明の虚像
3 晴明伝説のふるさと
4 漂泊する陰陽師
5 由緒と語り
コラム{陰陽道について/安倍晴明の実像/安倍晴明伝説の地}
安倍晴明と被差別民(田中貴子)
民間社会における「陰陽師」の系譜といざなぎ流太夫(斎藤英喜)
小法師役の由緒と益井家の人々(小林丈広)
神道講釈と安倍晴明伝(旭堂小南陵)
「葛の葉伝承」の寓意の虚実(西瀬英紀)
近世土御門家の陰陽師支配について(梅田千尋)
釈文
資料一覧
協力者一覧