1992年　四六判　P328　帯折れ跡、汚れ　天時代シミ多

“人間性を喪失した文明の思想的突破口は「身体」だ―
今日の高度資本主義の権力作用に抗して、生の回復への途を示す。
混迷をきわめる今日の社会状況を撃ち抜く、新たな思想の誕生！”（帯文）

“今日、「家族」は無力化し、そのため「個人」は孤立して政治への抵抗力を失っている。これこそ、晩期資本主義に特有の「ソフトな統治」をもたらすものにほかならない―と、著者は看破する。「消費社会」化や医療テクノロジーの発達、さらにはエイズの出現も、この傾向を助長しているという。著者は、生きた身体の間のコミュニケーションこそ社会の基盤であることに着目し、現代社会に人間性を回復する途を示す。「生の体験」を重視する現象学に裏打ちされた、ヒューマニスティックな社会批評の傑作。”（カバー裏紹介文）

目次：
謝辞
まえがき　人工の神

第一章　世界の身体―The World's Body
第二章　社会的身体―Social Bodies
第三章　ボディ・ポリティック―The Body Politic
第四章　消費者身体―Consumer Bodies
第五章　医療化された身体―Medical Bodies

結論　人類の未来の形態

原注
訳注
付論　地球化するパニックとしてのエイズ
解説　治療国家とボディ・ポリティック（奥田和彦）
訳者あとがき
参考文献
索引