昭和56年 A5判 P256 函汚れ、函口イタミ 小口少時代シミ 裏遊び紙少剥がし跡
19世紀以降のものを中心とした日誌や報告書など、外国人による琉球関連文献をもとに、外国から見た琉球や、その文化的交流、政治的外交などの歴史を探る。
目次:
一 シュウォーツ師と琉球宣教 ―精神文化史上の一系譜―
一 「琉球島」の著者と沖縄の知識人/二 「琉球島」の内容概観/三 「薩摩国」と大保師のこと/四 琉球メソジスト宣教の起源/五 宗教学者比屋根安定氏への影響/六 「ウランダ屋」とシュウォーツ師令息/七 シュウォーツ・ブル両師及び比嘉師の系譜/八 聖職者比嘉師の生涯/九 二つの手記/十 ブル師の手記と比嘉メリー女史
二 クリフォード ―琉球伝道史上の一先覚―
一 「クリフォード文書」/二 ブル師の貢献/三 クリフォードの「ナポレオン会見記」/四 幻の「訪琉記」稿本/五 クリフォード・モレトン師の系譜/六 モレトン滞琉日誌稿/七 ベッテルハイムの自作漢詩/八 クリフォード略伝
三 ベッテルハイム実録
一 日本宣教前史/二 「稟啓集」/三 「義村本」/四 ベッテルハイム琉球派遣の決定/五 東洋へ向け出発/六 香港着/七 ピーター・パーカー師と交信/八 琉球へ向う/九 波乱万丈の「琉球上陸」/十 中山府布政官文書/十一 護国寺へ入る/十二 初めて琉球語により説教
四 ベッテルハイム略伝
一 概略/二 語学の天才/三 来琉以前/四 「英国海軍琉球伝道協会」の設立/五 琉球へ/六 宣教活動の記録/七 ベッテルハイムの人となり/八 その後のベッテルハイム
五 バジル・ホール略伝
一 概略/二 系譜/三 訪琉記/四 クリフォードの琉球語彙/五 各国語訳/六 一流文芸評論誌が賞讃/七 マクレオドの琉球紀行/八 他の著作/九 ホール以前の欧文文献/十 ホールの影響/十一 付記「エジンバラ評論」誌に見るバジル・ホールの訪琉記評
六 ピーター・パーカー師と琉球 ―訪琉記自筆稿本のことなど―
一 モリソン号と琉球/二 パーカー師とベッテルハイム師/三 パーカー師宛のベッテルハイム書簡/四 ベッテルハイム自筆書簡の発見/五 琉球宣教史上におけるパーカー師の存在/六 キング訪琉記に見る通事安仁屋/七 パーカー師の略伝/八 晩年のパーカー師とウィリアムズ師
七 「ウィリアムズ家文書」と琉球 ―琉米修好史上の新史料―
一 ウィリアムズ博士と琉球/二 琉球関係外交文書/三 ボード事件関係文書と裁判手形/四 「琉球記」その他の琉球関係諸論考/五 正鵠を得た中琉関係の本質/六 該博な知識を以て啓蒙/七 日清両属の史的解明試みる
八 異国に眠る松陰の密書
一 ウィリアムズ家文書/二 ペリー提督自筆書簡/三 吉田松陰の密書/四 この密書をどう解くか
九 アナポリスの鐘
一 異国に眠る琉球名刹の巨鐘/二 琉米修好のかけ橋/三 鐘銘/四 大世の主の鐘/五 異国に生きる高僧芥隠の精神/六 琉球最古の鐘銘/七 刻まれる亀裂
十 ペリー提督略伝
一 概略/二 系譜/三 来琉以前の軍功/四 ペリー大艦隊の来琉/五 首里王府の門をたたく/六 琉米条約の締結
十一 米国に眠る「琉球使参府記」
一 江戸上り/二 史料の内容/三 「琉球由来」記/四 屋良里之子対本因坊の以後対戦/五 江戸上り関係史料群れ/六 白石と琉球使/七 「琉球来聘日記抄」/八 「参府記」とエール古文書館/九 大和めくもの
十二 レブンウォースと琉球研究
一 「琉球島」概観/二 訪琉の目的と琉球関係諸論考/三 「琉球島」の評価/四 「琉球処分」に関する清国側の史料/五 琉球処分論を扱う欧文文献抄/六 略伝/七 遺族と遺品
十三 ロンドン・タイムズ紙上の琉球処分論議
一 はじめに/二 リード卿の処分論/三 琉球の言語/四 琉球の政治史/五 琉球処分肯定論者のリード卿/六 ダグラス教授の反論―清国にも強い論拠/七 ジョン・ヤングの所見/八 リード卿の再所見/九 チェンバレンの見解/十 「琉球処分」論じる社説/十一 梧陰文庫中の抄訳
十四 琉球処分をめぐる欧米人の記録
一 ニューヨーク・ヘラルド紙/二 恭親王・グラント会議/三 グラント、仲介を約す/四 非常手段をも辞せず/五 ヤングのグラント随行記/六 ヤング、日清両国の相剋を嘆く/七 明治政府、ヤング手記に注目/八 ヘドレーの記録/九 琉球を語るグラントと李鴻章/十 琉球国民の心情を問う/十一 日本の南進を最も恐れる/十二 征台事件の欧文史料
十五 「対馬丸撃沈極秘文書」の解明成る
一 コーバス米潜水艦長の手記/二 対馬丸船団発見さる/三 二列縦陣の船団を追って/四 攻撃準備完了/五 攻撃開始/六 日本側記録との重大な相違/七 いま一つの魚雷のゆくえ
十六 燃える対馬丸
一 疎開船の姿を求めて/二 ボーフィンの戦歴/三 コーバス文書の信憑性/四 ボーフィン号の実質戦果
十七 付録「琉球を語る」―師弟交信録より
あとがき
索引