1996年初版 四六判 P321 帯付
1996年初版 四六判 P321 帯付
“記・紀・風土記のなかに日本文学の発生を見る
古代の文学といえば「万葉集」「懐風藻」など詩歌をあげるのがふつうだが、本書は「記」「紀」「風土記」など非文学作品の地名起源説話のなかに、古代びとの文学意識の萌芽をみるのである。”(帯文)
『風土記』に記される地名起源説話の扱われ方、書かれ方に、古代の呪的信仰から説話の形象化へと至る“文学意識の萌芽”を見出す論考「古文芸を読む―風土記を中心に」を主に、後半部には「蜻蛉日記の世界」を付け加える。
目次:
古文芸を読む―風土記を中心に
はじめに
夢野の鹿
神罰と天皇の死
播磨国風土記を読む
印南別媛の結婚と死
火明命の乱暴と丘起源
説話の成立
住吉大社神代記の説話
祝詞の文学性
諺と風土記歌謡
日本霊異記を読む
常陸国風土記と東歌の世界
風土記と読者
播磨国風土記における女の死
風土記地名起源記事の文芸的傾向
口頭伝承の断絶―耳から目へ
続・口頭伝承の断絶
蜻蛉日記の世界
蜻蛉日記を読む
蜻蛉日記はなぜ歌物語でないのか
蜻蛉日記下巻―あさましき生涯
あとがき
参考文献