昭和39年 四六判 P318 帯・函ヤケ、汚れ、角イタミ
昭和39年 四六判 P318 帯・函ヤケ、汚れ、角イタミ
“忍術実践の奥義と史実を公開!
忍者は知力・体力共に優れ、諜・謀の術理を体得するために、厳しい修行と忍者戒の厳守を要求される。本書は頭脳忍、体忍など忍術のさまざまな技法に歴史的事実をあてはめて解説した合理的忍術の実践篇であり好評の前著「忍術 ―その歴史と忍者」の姉妹版である。”(帯文)
目次:
忍術の原理
孫子の用間術と忍術のちがい/兵・武両術と忍術の関係/忍術の方法論(虚実と機の理論)/絶対を否定する忍者の世界観/知性の優劣は勝敗につながる
忍術と倫理
忍者戒とその逆倫理性/「正心」と忍者戒/「正心」の示す「生の哲理」
勝敗を占う察気三法
察天術 (・天相(天運)を察する術 ・天の時(天候)を取る術)/察地術 (・地(家)相を察する術 ・地の利を取る術)/察人術 (・人相(人運)を察する術 ・人の和を取る術)
必勝の哲理・五情・五欲の理
人を車にかける術(五情の理) (・喜車の術 ・怒車の術 ・哀車の術 ・楽車の術 ・恐車の術)/人の心に入る術(五欲の理) (・飲食の欲をついて人の心に入る術 ・色欲をついて人の心に入る術 ・栄誉の欲を用いて人の心に入る術 ・財欲をついて人の心に入る術 ・風流の欲をついて人の心に入る術)
基本の忍法・始計の術
無芸無名の術/微兆を取る術/節を揃える術(調査) (・調査に用いる場合の節を揃える術)/節を揃える術(謀計)/印を取る術/印を変える術/仏(神)隠れの術/山彦試聴の術/四方髪の術/変言化姿の術/諸国変化の術/偽書・偽印の術
戦前布石・遠入りの術
桂男の術/如影の術/久ノ一の術/里人の術/身の虫の術/螢火の術/袋飜しの術/天唾の術/弛弓の術/山彦の術
必勝の闘術・近入りの術
略本術(・易者の特技 略本の術)/迎入の術(・後の先とるは剣法の定石)/参差の術/妖者の術/水月の術/谷入りの術/虜反の術(・赤穂浪士と戦国の武士道)/袋翻し全術(・袋翻し全術で恋人を獲得)
隠身の忍法・城館に入る術
入虚の術(別名侵入術)/先考の術(別名物見の術)(・城の虚を知る法 ・家の虚を知る法)/入堕帰の術(・楊枝隠れの術とその現実性)/捉機の術(・剣理と捉機の術)/家忍の術(・地蔵薬師と昼寝の関係)
陰忍の闘術・偽計十二法
驚忍の術/雨鳥の術/試聴の術/偽音(言)の術/逃止の術/魘入の術(別名下着の術)/双忍の術/節を外す術(別名縄抜けの術)(・狡猾な犯人の隠されたアリバイ)/着前術/放火術/離行の術(・戦国兵団の先陣と殿軍)/賤卒の術
陰忍の華・隠法と遁法
隠法(静止して隠れる術)(・観音隠れの妙諦)/遁法(動いて隠れる術)(・天遁の術 ・地遁の術 ・人遁の術 ・虫獣遁の術)
忍術の諸伝
技術の細部を教える諸伝 (・五色米の伝 ・忍書に用いる秘字の伝 ・豆を移す習 ・馬の行く道を行く習 ・浅田と深田(泥田)を見分ける習 ・夜道の習 ・知らぬ山路の習 ・灯影の習 ・踏み替えの習 ・四足の習 ・雲行きの伝 ・風に乗るの伝(雲に乗るの伝と同じ) ・禁宿に取り入る習 ・虎狼の伝 ・牛馬の伝 ・天動、地動の習 ・事を紛らすの習 ・人に理を尽させる習 ・霞の伝)/用術の心得を教える諸伝 (水鳥の伝 ・変化の論 ・色を替える伝 ・飛鳥の伝 ・無門一関の教え ・禅と忍理)
忍具・忍薬.・術
忍具について(・秘伝 下げ緒と縄の使い方 ・下げ緒七術)/忍薬について(・火術薬方 ・対敵薬方 ・護身薬方 ・兵糧丸と水褐丸 ・忍術と癌の漢方)/呪術について(・九字護身法 ・三脈護身法 ・忍術に表われた祈り)
忍術練習法批判
忍術練習法/オリンピックと忍術
忍理と処世
柳生石舟斎の政治剣/不変の生活技術・忍術
忍術研究ノートから
忍術は虚だけの存在か?/忍術と神秘の接点/忍術と未解放部落/加太の忍者・坂治左衛門一
跋