1979年初版 文庫判 P142 帯僅スレ背ヤケ大 カバースレ、少ヤケ、背少イタミ 小口からページ端にかけてヤケ、僅濡れシミ
1979年初版 文庫判 P142 帯僅スレ背ヤケ大 カバースレ、少ヤケ、背少イタミ 小口からページ端にかけてヤケ、僅濡れシミ
“魔術的リアリズムの巨匠が贈るめくるめく野生の幻想曲!”(帯文)
“銀鉱で巨富を得た鉱山主が従者と様々な品々を伴ってマドリッド詣でに出立しようとしている―この素朴にさえみえる物語は、放尿でなる銀の便器、ヴィヴァルディのオペラ『モンテスマ』の上演場面で劇場を圧する楽器の音、泥の中を転げまわる豚、フランスの海賊の手から救われた司教を迎える町中に轟く音曲、灌腸かあそこを洗うのにぴったりの安酒が喉を通る音、インディオと黒人の二人の従者が弾くギター、鉄道駅のターナー式機関車の唐突な出現―など多元的に傍道へ逸れていく。物語の秩序は、音、光、色、色、匂い、時間の氾濫と錯綜に溺死し、香具師の口上よろしく物たちの名が呼ばれるや、物たちは輝きを帯び夢遊病のように起きあがる。まさに小説の本質は、ルクレティウスの『物の本質について』の秩序に換骨奪胎され、魔術的リアリズムの杖の一振りによってラディカルなフェティシズムの極みに奏された野生の幻想曲ともいうべき詩学大全《スンマ・ポエティカ》と化している。”(カバー裏紹介文)
目次:
バロック協奏曲
選ばれた人々
訳者解説(鼓直)