1985年 B5変型判(18.3×22.5) P70 表紙濡れ跡、スレ、少汚れ
1985年 B5変型判(18.3×22.5) P70 表紙濡れ跡、スレ、少汚れ
“ちいさき者が超常能力を持ちうるという逆説的な畏怖は、中世以来、日本人の観念の中に生き続けてきた。一寸法師が鬼を退治し、姫を救い出す英雄譚は今も親しまれている。神話に登場する少名毘古那神が大穴牟遅神と共に国造りに励みながらも、海の彼方の常世の国に去ってしまうのも、ちいさき者への惜しむ気持ちを表わしているのだろうか。
一方、巨人は山や湖の成り立ちを説明する便宜的な縁起譚を各地に伝えているのみである。それも宇宙大のスケールまでにははるかに及ばない。特別な感情移入もなくごくごく客観的である。この隔差は日本の風土そのものを意味しているのではないだろうか。”(表紙紹介文)
目次:
小子と巨母(高橋睦郎)
大釈迦と小釈迦の神話世界(山折哲雄)
鼎談・巨人と小人(大林太良、谷川健一、松田修)
伝承された巨人と小人のイマージュ(郡司正勝)
比較神話・スクナヒコの特異性(吉田敦彦)
巨人・小人伝説の心理学(織田尚生)
アイヌ民話の中の巨人と小人(萩中美枝)
東北地方の巨人と小人(大友義助)
関東地方の巨人伝説(飯島吉晴)
遠州のダイダラボッチと三尺坊(野本寛一)
信州の大人・デーランボーの足跡(浅川欽一)
巨人伝説と加賀一向一揆(小林忠雄)
近畿地方の巨人と矮人(高谷重夫)
山陰地方の巨人と小人(白石昭臣)
中国地方の巨人と小人(平川林木)
四国地方の巨人と小人(武田明)
山口県と北九州のの巨人と小人(伊藤彰)
八重山島長人(牧野清)
参考文献・BOOK