1974年 四六判 P301 帯背上端少破れ カバーヤケ大、上端少イタミ 小口ヤケ、汚れ
1974年 四六判 P301 帯背上端少破れ カバーヤケ大、上端少イタミ 小口ヤケ、汚れ
“火と熱ほど変化に富んだ領域の中に様々な説明方法を提供するものはないだろう。…〈略〉…すべての諸現象のうちで、それは実に相異なる二つの価値づけ、すなわち善と悪とを同時に断固として受け入れることのできる唯ひとつのものである。それは楽園で光り輝き、地獄に燃える。それは優しさであり、責苦である。それは煮炊きする火であり、黙示《アポカリプス》の火でもある。それは爐端に賢くすわる子供にとっては喜びである。それは、にもかかわらず、子供が図に乗ってあまりにも間近でその焔とたわむれようとするときには、どんな不従順さをも懲罰するだろう。それは安楽であり、尊崇である。それは守護と威嚇、正と邪の神である。”(本書第一章より)
神話、文学、文化人類学的信仰、錬金術的科学などの文献を参照しつつ、人間が「火」に対して抱いてきたさまざまなイメージや感情、意味付けを検討する。
目次:
序論
第一章 火と尊崇 プロメテウス・コンプレックス
第二章 火と夢想 エンペドクレス・コンプレックス
第三章 精神分析と先史 ノヴァリス・コンプレックス
第四章 性化された火
第五章 火の化学 虚偽の問題の歴史
第六章 アルコール=燃える水 ポンス=ホフマン・コンプレックス 自然燃焼
第七章 理念化された火 火と純粋性
結論
『火の精神分析』序文(英訳)(ノースロップ・フライ)
バシュラール抄
睡蓮―クロード・モネ/『寓話』―マルク・シャガール/火のイメージ―アルベール・フロコン『風景』IV/『セラフィタ』/マラルメの夢想/神話とはなにか―ポール・ディールの著書へのまえがき
文献目録
バシュラールの生涯〈年譜〉
あとがき