1990年初版 菊判 P295 帯折れ跡 カバー上端イタミ
1990年初版 菊判 P295 帯折れ跡 カバー上端イタミ
ブラジルで民衆的コミュニケーションの媒体・表現形式として生まれた詩的形式の小冊子「リテラトゥーラ・コルデル」。その歴史や、形式、語られるテーマ、表紙絵などを通じてブラジル民衆文化を探る。
“現代に生きる中世吟遊詩人
中世ヨーロッパを遍歴し、近代民衆文学を生み出した吟遊詩人たち。現代ヨーロッパでは消え去ったその伝統が、今なお息づくブラジル。小冊子リテラトゥーラ・デ・コルデルを通してブラジル民衆文化の深層にせまる!”(帯文)
目次:
はじめに
一 民衆文化理解の鍵としてのコルデル―フォーク・コミュニケーション
二 吟遊詩人―西洋中世から二〇世紀ブラジルまで
印刷された民衆文学の始まり
三 ブラジルの民衆詩―その歴史的側面
本や小冊子の編纂/レアンドロ・ゴーメス・デ・バーロス/その他の偉大な民衆詩人/リテラトゥーラ・デ・コルデルの絶頂期、衰退期、および変容期
四 リテラトゥーラ・デ・コルデルの種別と形式
作詩法の形成/リテラトゥーラ・デ・コルデルの分類/ABCと掛け合い/アクロスチコ
五 リテラトゥーラ・デ・コルデルの口承的側面
民衆詩の主題の多様性/民衆詩の音楽性/韻律法の多様性
六 木版民芸と小冊子の表紙絵
民衆的木版画の内容と表現/主な木版画家/民衆的木版画の将来
七 小冊子の出版と流通
小冊子売り/リテラトゥーラ・デ・コルデルの受容者/リテラトゥーラ・デ・コルデルの新しい消費者のプロフィール/リテラトゥーラ・デ・コルデルの顧客はだれか
八 田舎と都会のリテラトゥーラ・デ・コルデル
コルデルと通して見た選挙/嘲笑の小冊子/社会的抵抗/民衆的英雄主義/宗教/中世の物語/好色
時事物、ジャーナリスティックな小冊子
九 リテラトゥーラ・デ・コルデルとブラジルの少数集団《マイノリティー》
混血の典型である北東部人《ノルデスチーノ》/“大”少数集団の黒人/黒人の味方についての小冊子/黒人の価値の復権をはかる詩/リテラトゥーラ・デ・コルデルに描かれたインディオ/インディオを描くさまざまな形態/リテラトゥーラ・デ・コルデルのなかの日本人/第二次世界大戦に言及した小冊子/日系コロニアの否定的側面についての小冊子/揶揄の小冊子/称賛の小冊子
一〇 リテラトゥーラ・デ・コルデルによる新しい知識の伝達
おわりに
参考文献
付録―『盗賊団の首領ランピオンの犯罪歴』
付録解説
訳者解説
あとがき