昭和20年3刷 B6判 ソフトカバー P229+索引P7 裸本 全体に経年によるイタミ、ヤケ、シミ 背上部欠損 両見返しパラ剥がし跡 P109上部に2センチ程の破れ
昭和20年3刷 B6判 ソフトカバー P229+索引P7 裸本 全体に経年によるイタミ、ヤケ、シミ 背上部欠損 両見返しパラ剥がし跡 P109上部に2センチ程の破れ
旧字旧かな遣い
挿絵:柳瀬正夢
“この本は読者として国民学校上級生と中等学校一二年生とを予想し、正しい科学的知識を与へることを目標として編集されました。……”(巻末『父兄並びに先生方に』より)
“……「寒さ」といふものは、恐ろしいものである。その「寒さ」を克服するためには「寒い国」をよく理解するのが第一の課題である。
北辺防備の問題が、日本の大切な国家の問題であることは、今までもしばしばいはれて来た。しかし北の護りの礎は、政治や軍事にたづさはつてゐる人々ばかりでなく、国民の大勢の人、少くも北に住む人の全部が「寒さ」といふものを充分よく理解することの上にたてらるべきである。さういふ一般の人々、特に将来我が国を背負つて立つ少国民の人たちに、その点をよく理解してもらふやうにと思ひ、かつ低温科学勉強してゐる以上、かういふ意義を持つた本を書くのが、一つの義務であると考へてこの本を書いた。……”(序文より)
目次:
一部 寒さとは何か
一 密林《ジャングル》と雪原/二 札幌と東京/三 ナポレオンのロシア遠征/四 モスコーの大火/五 『冬将軍』/六 ヒットラー総統の演説/七 気温十度の差/八 温度/九 熱/一〇 温度の尺度/一一 水銀寒暖計/一二 零度の氷と零度の水/一三 熱の伝導/一四 対流/一五 熱の「対流」/一六 太陽と地球/一七 春夏秋冬/一八 北の国/一九 シベリアと北極/二〇 同じ緯度の土地/二一 気候を支配する水/二二 人間の感ずる寒さ/二三 水の恩恵/二四 三寒四温/二五 晴れた夜/二六 個体の水
第二部 寒い国の衣食住
一 樺太への旅/二 ヤクークの生活/三 薪の蔭にある家/四 逃げる熱/五 寒さと闘ふ学問/六 満州建国十年/七 サモワールを囲む人々/八 ロシア人農家の作り/九 家の中/一〇 父で作つた家/一一 北の生命線を護る人々/一二 開拓村のこと/一三 野菜の貯蔵/一四 むすび
第三部 低温科学
一 低温科学といふ言葉/二 白衣の悪魔/三 『北氷洋の氷の破れる音』/四 流氷の問題/五 河川の凍結/六 雪と人生/七 雪とは何か/八 雪の結晶の本態/九 積つた雪/一〇 樹氷/一一 凍る土地/一二 凍上の被害/一三 凍上の本態/一四 霜柱/一五 トッド博士/一六 永久凍土層/一七 低温科学の行くべき道