1997年初版 文庫判 P329 帯スレ、背ヤケ カバー少ヤケ、少汚れ
1997年初版 文庫判 P329 帯スレ、背ヤケ カバー少ヤケ、少汚れ
“『東海道四谷怪談』を中心にだまし絵のような南北の世界を探る”(帯文)
“重層につぐ重層、倒錯につづ倒錯。荒唐無稽・伝奇怪異のフレームで見る者を眩惑しつつ、文化文政期の江戸を見事なまでに描ききった鶴屋南北。だまし絵のように妖しいその南北世界を、代表作『東海道四谷怪談』を中心に、東西芸術の幅広い知識を背景にユニークは手法で縦横に論じ、そこに現代との接点を探る。”(カバー裏紹介文)
目次:
序にかえて―パゾリーニ、フェリーニ、南北
プロローグ―成立の条件
怨霊以前の人々
『桜姫東文章《さくらひめあずまぶんしょう》』 零落という名の世界―桜姫とブランチ・デュポワ/『於染久松色読販《おそめひさまつうきなのよみうり》』 七つの貌のマドンナ―お染の七役とイヴ・ホワイト・ケース/『絵本合法衢《えほんがっぽうがつじ》』ほか 悪女の系図―うんざりお松と土手のお六など
怨霊世界の人々
『東海道四谷怪談』 {世話の大序・額堂―裏面と表面《ピル・ウ・ファース》/地獄宿の泥臭―トワイライトのなかで/浪宅と隣宅―収賄から転向へ/お岩変相―鏡の中の深淵/隠亡堀―干潟のある風景/三角屋敷―三角形の構図/小平報恩―犠牲獣の群れ/蛇山庵室―最後の晩餐/フィナーレ―逆さ曼荼羅縁起}
修羅をになう人々
『霊験亀山鉾《れいげんかめやまぼこ》』 {『亀山の仇討』の系譜―実説と虚構の間/A 片身替仇討衣裳―石和川原から安部川原まで/B よその花は朱いか―安部川原から中島村まで/C 崩壊と逆転による大団円―故郷明石から勢州亀山まで}
エピローグ―最後に笑う南北
付記―創元ライブラリ版刊行にあたって
跋(郡司正勝)
解説(赤江瀑)