1996年初版 文庫判 P760+付録P4 カバー背少ヤケ 小口からページ端にかけてヤケ、時代シミ多
1996年初版 文庫判 P760+付録P4 カバー背少ヤケ 小口からページ端にかけてヤケ、時代シミ多
“黒ビロードのカーテンは、ゆるやかに波をうって、少しずつ左右へ開きはじめた。 ―十二月十日に開幕する中井文学。現実と非現実、虚実の間に人間存在の悲劇を紡ぎ出し、翔び立つ凶鳥の黒い影と共に壁画は残された。塔晶夫の捧げた“失われた美酒《オフランド・オウ・ネアン》、唯一無二《スイ・ゲネリス》の探偵小説『虚無への供物』を―その人々に”(カバー裏紹介文)
目次:
【虚無への供物】
序章
{1 サロメの夜/2 牧羊神のむれ/3 月の夜の散歩/4 蛇神伝説/5 ザ・ヒヌマ・マーダー/6 鱗光の館/7 未来の犯人/8 被害者のリスト/9 井戸の底で/10 『凶鳥の黒影』前編}
第一章
{11 第一の死者/12 十字架と毬/13 『凶鳥の黒影』後編/14 透明人間の眩き/15 五つの棺(亜利夫の推理)/16 薔薇のお告げ(久生の推理)/17 第三の業(久生の推理・続き)/18 密室と供物殿(藍ちゃんの推理)/19 ハムレットの死(藤木田老の推理)/20 『虚無への供物』}
第二章
{21 黒月の呪い/22 死人の誕生日/23 犯人たちの合唱/24 好ましくない容疑者(亜利夫の日記I)/25 皺だらけの眼/26 算術の問題/27 予言者の帰国/28 殺人問答/29 ギニヨール風な死/30 畸型な月}
第三章
{31 顔のない顔/32 瞋る者の死/33 閉された扉/34 オイディプスの末裔/35 殺人日暦/36 第四次元の断面/37 放火日暦/38 タイム・マシンに乗って(亜利夫の日記II)/39 ゴーレムの正体/40 犯罪函数方程式}
第四章
{41 白い手の持主/42 第三の薔薇園/43 死体エレベーター/44 痴れ者の死/45 密室ではない密室/46 ワンダランドへの誘い/47 薔薇と経文/48 三枚のレコード/49 童子変相図/50 “驚くべき真相”
終章
{51 非誕生日の贈り物/52 夜の蓑虫/53 仮面の人/54 黒と白/55 非現実の鞭/56 幸福な殺人者/57 鉄格子の内そと/58 五月は喪服の季/59 壁画の前で/60 翔び立つ凶鳥}
あとがき
解説(相澤啓三)/解題(本多正一)
付録:文学の特別席(埴谷雄高)/塔晶夫へのオード(齋藤慎爾)