昭和53年初版 文庫判 P250
昭和53年初版 文庫判 P250
“「あっしの洋行の土産話ですか。ただもうビックリして面くらって、生命からがら逃げ帰って来たダケのお話でゲスから……」
一杯飲みながら、大工の治吉は30数年前の出来事を語り出した。
―時は明治の末。アメリカはセントルイスで大博覧会が開催された。若き大工職人として渡米した治吉は、そこで美しい支那娘と親しい仲になる。
ある夜、外出禁止を犯し、彼女に連れられ、こっそり夜の街に出た。古いレンガ造りの建物の地下で目にしたものは、世にも恐恐しい光景だった……。
表題作ほか七篇を収録した夢野久作戦慄の世界!”(カバー袖紹介文)
目次:
人間腸詰
木魂
無系統虎列刺
近眼芸妓と迷宮事件
S岬西洋婦人絞殺事件
髪切虫
悪魔祈禱書
戦場
解説(中野美代子)