1981年 四六判 P231 函スレ、少イタミ P91角折れ跡
1981年 四六判 P231 函スレ、少イタミ P91角折れ跡
1923年にフランスで出版された、昔話についての研究を翻訳。
ヨーロッパ各地はもとより、インド、東南アジア、アフリカその他の地域の説話、あるいは古代の神話や中世の文学などを比較し、その類似や関係性について考察する。
もともと昭和の初め頃に柳田國男の依頼を受けて関敬吾が翻訳に着手したが、掲載雑誌『昔話研究』の廃刊によって中断。その後、柳田所蔵の原書が古書店に売りに出されていたのを小林高四郎がたまたま入手したのをきっかけに、石川登志夫に翻訳を依頼し本書の出版にいたる。
柳田所蔵の原書を底本としており、原書の欄外に書き込まれていた柳田による注は、本書巻末に掲載される。
なお本書巻頭「まえがきに代えて」の中で関は、柳田の著述「桃太郎の誕生」と本書の両書に、いくつかの共通の問題がとりあげられていることを指摘している。
“…たとえば、シンデレラと粟袋米袋、お銀小銀、紅皿欠皿、死人感謝譚(ル・モール・コンネッサン)と歌うたう骸骨。異類婚姻譚とプシケー(美女と野獣)などがそれである。”(本書「一冊の本 ―まえがきに代えて」より)
目次:
一冊の本 ―まえがきに代えて(関敬吾)
第一章 昔話の諸問題
第二章 昔話の発展と形成
第三章 昔話と文学
柳田国男の注
柳田国男先生遺愛、幻の書の刊行に寄せて(小林高四郎)
あとがき(石川登志夫)