2013年 文庫判 P234
2013年 文庫判 P234
“富国強兵、殖産興業といったことばで語られることの多い明治日本の「近代化」。しかし、国力の増強を
図ることは、同時に貧富の格差を生み出すことでもあった。工業国日本の歯車として庶民がひたすら働
き続ける中、新興企業家たちは「先見の明」によって甘い汁を吸い、富を蓄積していく。いわく贋札の発行と両替、政治家との癒着、金融・株式の支配、そして戦争特需……。三菱、三井、住友、安田、日産等々、実業界の歴史に燦然と輝く財閥・企業グループ創業期の実態に、『日本之下層社会」で搾取され、貧困にあえぐ人々の姿を描いた著者が迫る。社史には決して書かれることのない明治裏面史。”(カバー裏紹介文)
目次:
第一 明治富豪史
一 戦争/二 贋造紙幣/三 新人物/四 薩長土肥/五 五代友厚/六 二個の大怪/七 海上王/八 富国強兵/九 御用商人
第二 富豪貴族
一 富豪界の頭目/二 家庭の海上王/三 金融界の覇者/四 大名華族/五 都市地主
第三 海外の人
一 無人島探検/二 獅子湾頭の怪/三 海外貿易者/四 展望一転 {1 移民会社/2 遠来の珍客/3 第二時代/4 花役者/5 新分子/6 対照/7 酒杯の雄/8 後継者/9 秋風索莫}/五 仏魂商服の人
解説 横山源之助と『明治富豪史』(色川大吉)