2007年 文庫判 P632
2007年 文庫判 P632
“人間の意識の在り方(実存)を精緻に分析し、存在と無の弁証法を問い究めた、サルトルの哲学的主著。根源的な選択を見出すための実存的精神分析、人間の絶対的自由の提唱など、世界に与えた影響は計り知れない。フッサールの現象学的方法とハイデッガーの現存在分析のアプローチに依りながら、ヘーゲルの「即自」と「対自」を、事物の存在と意識の存在と解釈し、実存を捉える。20世紀フランス哲学の古典として、また、さまざまな現代思想の源流とも位置づけられる不朽の名著。I巻は、「即自」と「対自」が峻別される緒論から、「対自」としての意識の基本的在り方が論じられる第二部までを収録。(全3巻)”(カバー裏紹介文)
目次:
ちくま学芸文庫版第I巻への注記
凡例
【緒論 存在の探求】
I 現象という観念
II 存在現象と現象の存在
III 反省以前的なコギトと知覚の存在
IV 知覚されることpercipiの存在
V 存在論的証明
VI 即自存在
【第一部 無の問題】
第一章 否定の起原
I 問いかけ
II 否定
III 無についての弁証法的な考えかた
IV 無についての現象学的な考えかた
V 無の起原
第二章 自己欺瞞
I 自己欺瞞と虚偽
II 自己欺瞞的な行為
III 自己欺瞞の《信仰》
【第二部 対自存在】
第一章 対自の直接的構造
I 自己への現前
II 対自の事実性
III 対自と、価値の存在
IV 対自と、諸可能の存在
V 自我と、自己性の回路
第二章 時間性
I 時間的な三次元の現象学 {(A)過去/(B)現在/(C)未来}
II 時間性の存在論 {(A)静的時間性/(B)時間性の動態}
III 根源的時間性と心的時間性―反省
第三章 超越
I 対自と即自とのあいだの典型的な関係としての認識
II 否定としての規定について
III 質と量、潜在性、道具性
IV 世界の時間 {(A)過去/(B)現在/(C)未来}
V 認識
原註
訳註
I巻訳者あとがき