1981年初版 文庫判 P334 カバー僅スレ、背ヤケ、袖折れ跡 小口からページ端にかけてヤケ
1981年初版 文庫判 P334 カバー僅スレ、背ヤケ、袖折れ跡 小口からページ端にかけてヤケ
“ラスプーチン―手を置くだけで病をなおす治癒力と相手かまわぬ飽くことをしらぬ性欲、透視力と催眠術を備え、自分の暗殺を予言し、自分をキリストの再来と信じていた狂人にして聖人。歌と踊りを好み、信者から寄進された金の大半を人にくれてやる天真爛漫な陰謀家。ガルガンチュア風の酒びたりと瞬時にしらふに戻れる奇妙な能力をもったディオニュソス的修道僧。彼は、倒立した革命家ドストエフスキー、狂気の天才的舞踏家ニジンスキー、おしゃぶりをくわえた革命家ネチャーエフを同時代人として、宿命的で怠惰、アナーキイで、理想主義に欠け、子供じみて無責任なところのある芸術と頽廃の都ペテルブルクで奇蹟を行う人として名声を確立し、皇帝皇后の信任を得て権力と敵を作り、やがて暗殺、十月革命と軍国主義、官僚主義へと道を空け渡す。そのポシビリタンたる多彩な由縁を説くウィルスンが仕掛けた時限爆弾のような書。”(カバー裏紹介文)