1979年初版 文庫判 P354 カバー少イタミ、背少ヤケ、裏上端1ヶ所に5ミリ程度の破れ 小口からページ端にかけてヤケ
1979年初版 文庫判 P354 カバー少イタミ、背少ヤケ、裏上端1ヶ所に5ミリ程度の破れ 小口からページ端にかけてヤケ
“美しく顧みられることのないダワー・ハウスの広告を見たヘンリーは不思議な情熱にとらわれる。彼は毎日、仕事が終わると背後に森を擁したこの家を見にやってきた。競売の結果、新しい持ち主となった同僚の大学教授の妻ネモに彼は、その家ごと心を奪われていくのだが、やがて説明のつかないことが起きはじめる。森の静止間からオルゴールの音が聞こえてきたり、地下室で見つけた鏡に奇妙なものが映ったり、リストの曲を録音したテープに不気味な語りが混じったりした。新年のパーティでは明滅するライトと音楽の喧騒のあいまにサラ・ムーアの亡霊が一瞬現われ、ネモに近づいて消えたのだ。サラは前世紀の女優で、この家に滞在したこともあり、同じ役で二度舞台に立つことはせず、蛾のように群がる男どもと一度精を交わすと殺害してしまったという。サラはネモの生身を利用して果せぬ欲望を満たそうというのであろうか。そして身の毛もよだつ惨劇の幕が開いていく……。”(カバー裏紹介文)