1985年4刷　四六判　P209　カバー上下端イタミ、背ヤケ　P146〜147の間に少開きグセ

目次：
序
第一章　狐の生態
　はじめに
　一　狐の生態　｛1　狐の種類とその分布／2　狐の棲息地／3　狐の営巣／4　狐の交尾と繁殖／5　子別れの儀式と子狐の旅立ち／6　分散／7　狐の感覚／8　狐の食性｝
　二　狐の生態の分析　｛1　狐の魅力／2　狐に対する嫌悪｝
第二章　日本の狐
　一　狐女房型説話　｛1　信太妻／2　『日本霊異記』の狐／3　信濃の狐｝
　二　狐施行
　三　狐飛脚
　四　狐塚
　五　狐の仕置き
　六　狐の仇討ち
　七　狐名称一覧
　おわりに
第三章　中国の狐
　はじめに
　一　狐の妖術　｛1　中国妖術六例／2　中国の影響を受けた日本の狐｝
　二　狐の吉凶　｛1　白狐の吉祥／2　黒狐の凶兆／3　瑞祥としての白・黒・九尾の狐｝
　三　狐の学徳　｛1　胡博士／2　中国学狐影響下の日本の諸名狐｝
　四　狐の徳性（狐の三徳）　｛1　「死スレバ則チ丘ニ首ス」（故丘を忘れぬ狐）／2　「小前大後」の徳　（1）九尾の狐　（2）狐と瓠　／3　狐の土徳（「其色中和」）｝
第四章　陰陽五行思想と狐
　一　陰陽五行思想
　二　五行循環
　三　五気の配当
　四　一年における五行循環
　五　五行説図表のよみ方
　六　土気の尊貴とその重要性
　七　事狐
　八　陰陽五行思想と狐
　九　狐の土気を立証する中国古文献
　十　狐の土気を立証する祭りと民話　｛1　高柴の七福神／2　狐に関する昔話十二話｝
第五章　稲荷と狐
　はじめに
　一　稲荷社創祀暦日と二月初午
　二　稲荷鎮祭の社会的背景　｛1　為政者たちの不安／2　辛亥年卯月戊午日狐神鎮祭の呪術効果　　（1）狐の土気の呪力　（2）戊午日の呪力　（3）子年に対する午日の呪力　（4）卯月木気の呪力｝
　三　黒狐の出現　｛1　黒狐祥瑞の理由／2　狐神鎮祭と黒狐出現歓迎との関連｝
　四　稲荷創祀暦日に関する諸説
　五　稲荷と朱　｛1　朱の鳥居／2　稲荷と赤飯・油揚／3　稲荷と油揚｝
　六　再び狐と瓠について　｛1　瓠と神楽歌｝
　七　稲荷神は異形《いなり》神か
　八　験の杉　｛1　「験の杉」についての諸家の説／2　験の杉の推理／3　剋し傷めつけられる稲荷山の樹木｝
　九　白狐考　｛1　白狐信仰／2　白狐尊崇の理由／3　稲荷社における白狐伝承／4　白狐の御利益／5　白狐とダキニ／6　ダキニ伝承と諸家の説／7　平清盛とダキニ／8　白狐にのる女神像（豊川稲荷神像）／9　白狐とダキニ習合の背後にあるもの／１０　狐と金気／11　狐即稲荷の否定と肯定｝
　おわりに
第六章　蛇から狐へ―私見稲荷信仰
　一　蛇信仰
　二　縄文の蛇
　三　弥生以降の蛇　｛1　祖先神・田の神・穀物神としての蛇／2　蛇に見立てられる山｝
　四　蛇と稲荷山　｛1　荷田竜頭太伝承（稲荷山の山神）／2　竜頭太の推理／3　藤尾明神｝
　五　狐と稲荷　｛1　絶対多数の稲荷社／2　蛇から狐ね（私見稲荷信仰）／3　祭神の変遷／4　伏見稲荷大社の御神符｝
第七章　狐と火（その一）
　はじめに
　一　千年の狐
　二　塩屋の狐
　三　俗信における狐と火
　四　火にさそわれて出てくる狐
　五　初午に関する俗信　｛1　稲荷の晴天祭日の意味／2　初午と湯茶｝
　六　狐の火と童謡
　七　狐顕現の二様相
第八章　狐と火（その二）
　はじめに
　一　狐、家に火つくること
　二　『老媼茶話』の狐
　三　三好想山による狐奇譚
　四　『甲子夜話』の狐火譚

あとがき