昭和49年初版　ページ部分14.3×22.0　P425　函ヤケ、汚れ

王朝時代の八代集、六歌集、歌仙集、諸家集、歌合集から選び出した和歌百首を、歌人塚本邦雄が短く解説・鑑賞する。

目次：
はじめに

1　月やあらぬ春や昔の春ならぬわが身一つはもとの身にして　在原業平
2　盃に春のなみだをそそぎけるむかしに似たる旅のまどゐに　式子内親王
3　春は花散るや千種におもへども言の葉しげしかくてやみなむ　藤原義孝
4　うすく濃き野邊のみどりの若草にあとまで見ゆる雪のむら消え　宮内卿
5　見渡せば山もと霞む水無瀬川夕べは秋となに思ひけむ　後鳥羽院
6　浅みどり花もひとつに霞みつつおぼろに見ゆる春の夜の月　菅原孝標女
7　はかなさをほかにもいはじさくらばな咲きては散りぬあはれ世の中　藤原實定
8　知るらめや霞の空をながめつつ花もにほはぬ春をなげくと　中務
9　たづねつる花もわが身もおとろへて後の春ともえこそ契らね　良暹法師
10　春といへばなべてかすみやわたるらむ雲なき空の朧月夜は　小侍従
・・・ほか

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