昭和55年初版　四六判　P462　帯およびカバースレ、少汚れ　小口少ヤケ

“ポーランドＳＦの真髄！
巨匠レムが生命、意識、個性などをサイバネティクス理論を用いて再定義し、宇宙に生きる一宇宙飛行士の活躍を描く！”（帯文）

“今回の任務には、さすがのピルクス船長もほとほと困りはてていた。仕事そのものはたいしたことはない。 船内における人造人間の適応性を検査するだけだ。ところが、その人造人間が曲者だった―
そいつは、姿形はもちろんのこと心理形態まで人間と寸分違わぬ代物なのだ！
しかも、嘘までつけるときては始末に悪い。いったい乗組員の誰が、はたまた何人の人造人間がまぎれこんでいるのか？ピルクスはいわずもがな、すでにこうした疑惑は乗組員たちの心の中にまで忍びこんでいた……「審問」他、人工頭脳に障害をきたして殺人機械と化したロボットを描いた「狩り」、 月の観測基地に連続して起こる惨事に隠されていた、人間と機械とのドラマを語る「条件反射」、着陸段階に入るたびに事故を起こす自動操縦装置の謎をピルクスが解明する「運命の女神」など、巨星レムがシリアスな設定の中にも微妙なアイロニーとユーモアをまじえた文体で、生命、意識、個性などをサイバネティクスの観点から捉えて、宇宙に生きる人間を描く連作短篇集”（カバー袖紹介文）

目次：
テスト
パトロール
〈アルバトロス〉号
テルミヌス
条件反射
狩り
事故
ピルクスの話
審問
運命の女神

解説（川又千秋）