1997年　Ａ５判　P335　帯および函背ヤケ　帯裏一部欠損

“「イレズミ」に関する入手し難い資料を通して人間存在の実相・本質に迫る資料集。”（帯文より）

人類学、刑罰史などのアプローチから、明治から戦後にかけての刺青について書かれた文献を年代順に収録。巻頭に解説篇を収めるとともに、各文献に解題を付す。

目次：
歴史民俗学資料叢書の発刊にあたって

【解説篇】
白川静氏の文身論／加入儀礼と身体装飾／入れ墨とかかわりをもつ諸学／「いれずみ学」は成立しえないか／ベルツの入墨論／入墨＝着物代用説／ベツルと安田徳太郎／和歌森太郎の批判／マサキ＝南方語説

【資料篇】
凡例
1　「石器時代の遺物遺跡は何者の手に成たか」抄（一八八八）（坪井正五郎）
2　「アイヌの婦人」（一八八九）（坪井正五郎）
3　「アイヌの入れ墨」（一八九三）（坪井正五郎）
4　「琉球の入墨ト『アイヌ』ノ入墨」（一八九三）（宮島幹之助）
5　「琉球大島群島婦人の黥（一九〇〇）（吉原重康）
6　「北千島アイヌの入墨に就て」（一九〇三）（鳥居龍蔵）
7　「黥面土偶に就て」（一九〇五）（大野延太郎）
8　「台湾のツァリセン族に見らるゝ尊長表示の標榜」（一九一〇）（伊能嘉矩）
9　「犯罪者ノ文身ニ就キテ」抄（一九一〇）（古瀬安俊）
10　「アイヌの黥について」（一九一七）（吉田巌）
11　「倭人の文身と哀牢夷」（一九一七）（鳥居龍蔵）
12　「ポナペ島土人の文身に就て」（一九一七）（長谷部言人）
13　「文身の話」（一九一九）（山中共古）
14　「文身研究の興味」（一九二〇）（寺田精一）
15　「剳青の史的研究」（一九二三）（江馬務）
16　「入墨」〈『アイヌの足跡』より〉（一九二四）（清岡伸一）
17　「警察犯処罰令研究』抄（一九二七）（村上又一）
18　「文身に関する犯罪心理学的問題」（一九二九）（吉益脩夫）
19　「刺青研究の興味」（一九二九）（副士政一）
20　「痣の遺伝する話」（一九二九）（中山太郎）
21　「刺青」（一九三一）（副士政一）
22　「ソヴエートロシアに於ける犯罪と刺青」（一九三一）（上脇進）
23　「南島の黥（はづき）」（一九三二）（伊波普猷）
24　「文身瑣談」（一九三二）（小林省三）
25　「入墨」（一九三四）（江馬務）
26　「入墨経験談」（一九三四）（江馬務）
27　「台湾ニ於ケル犯罪者ノ文身ニ就テ」（一九三六）（有住左武郎）
28　「文身」〈『医事雑考　妖。異。変』より〉（一九四〇）（田中香涯）
29　「日本のイレズミ風俗」ほか〈『人間の歴史２』より〉（一九五二）（安田徳太郎）

あとがき